この1年でスポーツファンの間で爆発的に知名度を上げた企業がある。プロ野球北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールド北海道」(北広島市)の施設命名権(ネーミングライツ)を持つ日本エスコン(東京)だ。
札幌市中央区にある同社北海道支店を訪ねると、加藤嘉朗支店長(51)が出迎えてくれた。
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同社は業界では「中堅不動産会社」と位置づけられる。親会社の中部電力とともに東証プライムに「親子上場」する優良企業だ。
ただ、知名度の向上は長年の課題だった。
「飲食店で名刺を出しても、なかなかわかってもらえない。不動産関係の会社です、と言っても『そうなんですね』と。その後が続かないんです」
そう加藤支店長は振り返った。
転機は2018年に正式決定した北広島市での新球場計画だ。すでに新球場一帯でマンションや商業施設などの開発を手がけることで球団と合意していた。
その交渉の席で、球団から一つの提案があった。
「新球場の命名権も持ってもらえませんか」
日本エスコン社内の反応は様々だった。
「費用対効果はどうなのか」
「本当に球場は建設できるのか」
そんな否定的な意見もあった。
球団には、「我々には分不相…