新国立劇場バレエ団のロンドン公演の一部がロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)で報道陣に公開された=2025年7月22日、トリストラム・ケントン氏撮影、ROH提供

 世界最高峰の歌劇場、ロンドンの「ロイヤル・オペラ・ハウス」(ROH)で、新国立劇場バレエ団が初めてとなる海外公演を催している。初日の24日夜は全2256席が埋まり、大盛況となった。

 演目は古典の名作「ジゼル」。新国立の舞踊芸術監督を務める吉田都さんにとっては1980年代から「一番多く演じ、自分が育てられた作品」だ。

 公演は27日まで5回。初回公演について吉田さんは「最初は試されている感じがあった」と話す。ただ、時間が経つにつれ、受け入れられていることを実感した。「日本人の良さは『繊細さ』で、英国にはないものかもしれない。だからこそ喜んでもらえるかなと」

 吉田さんは1995~2010年、ROHを拠点とする英ロイヤル・バレエ団に最高位ダンサー、プリンシパルとして所属。20年から新国立劇場バレエ団を率いてきた。「クラシックバレエには『近道』も『効率よく』もない」と強調し、「ダンサーたちにはレベルアップしてほしい。この舞台に立つことで変わると信じている」と期待を寄せる。

 新国立は「グローバル化」を掲げており、今後も海外公演の実現を模索する。吉田さんは「日本のストーリーを、日本の振付家によって、自分たちが感じるままに表現できるバレエ」作品を作り上げる構想も持っているという。

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