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20日発売の週刊新潮「変見自在」。欄外には「コラム終了」の案内があった
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 在日コリアンの作家らを名指しして、「日本名を使うな」と書いた週刊新潮の高山正之氏による連載コラム「変見自在」が終了した。7月下旬の掲載から4週間弱での突然の幕引きで、8月20日発売号の最終回では「高山氏と編集部で協議の結果」という説明だけが載った。いま新潮社に求められることは何か。差別やヘイトスピーチの問題に詳しいノンフィクションライターの安田浩一さんに聞いた。

  • 「コラムは新潮の思想の核心部分」 過去に批判呼んでも続いた連載

 コラムで「日本名を使うな」と指摘された一人、作家の深沢潮さんが8月4日に開いた記者会見に参加しました。深沢さんはコラムに傷ついた思いや、内容に抗議する意思を示し、また会場では、深沢さんに連帯する作家たちのメッセージが次々と紹介されました。

 この会見直後、新潮社は、ホームページで深沢さんへの謝罪文を公表して「力量不足を痛感」としました。ただ、何があったかということへの言及もなく、コラムで実名を挙げた大学教授や俳優への言及もありませんでした。突然の連載終了は「文句を言うなら、終わらせればいいだろ」という態度にしか見えず、深沢さんや読者、社会に対してあまりにも誠実さを欠いています。

「誇りをかけて対応を」

 このコラムの最大の問題点は…

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