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スーパーに並んだ宮崎県産の新米=2025年8月8日午後1時28分、埼玉県草加市、山田暢史撮影

 スーパーでのコメ5キロの販売価格が再び4千円を超える中、新米をめぐるJAと他の業者と集荷競争が過熱している。各地のJAが農家に前払いするコメの概算金はすでに過去最高の水準で、さらに追加で支払う動きもあり、新米価格の高騰の一因となっている。

 「業者がかなりの高額で買い集めている。それを超えた額でないと勝負できない」。JA福岡京築(福岡県)の担当者は焦りを見せる。ブランド米「夢つくし(早期)」の概算金は60キロあたり2万8440円だったが、8月末に3万1920円に引き上げた。

 例年は納入予約をしたほぼ全ての農家からコメが集まったが、昨年は7割ほどに落ち込んだ。九州の農業法人の経営者は「概算金が出た直後から、『プラス2千円で買い取る』と業者がまわっている。新米は奪い合いになっている」と話す。

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コンバインで刈り取られていく特別栽培米のコシヒカリ。右奥に見えるのは阿蘇五岳の根子岳=2025年9月13日午前11時45分、熊本県阿蘇市、城戸康秀撮影

 同様の動きは各地で広がる。JA阿蘇(熊本)では、コシヒカリの1等米で60キロあたり3万240円の概算金を示したが、9月には3千円増の過去最高の3万3240円に引き上げた。高級米で知られる「魚沼コシヒカリ」の概算金(3万2500円)よりも高い。

 JA全農みやぎは8月20日に主力品種の「ひとめぼれ」60キロの概算金を前年より1万1500円高い、2万8千円に決めたが、今月に入って追加で3千円支払うことを決めた。JA全農あおもりやJA全農いわても、8月に過去最高の概算金を示したが、わずか数週間で3千~4千円の増額を決めた。

記事の後半では、高騰する各地のJAの概算金をまとめました。専門家は、JAと他の業者の集荷競争を「価格のつり上げ競争になっている」と懸念を示しています。

 背景には、夏の記録的な猛暑…

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