米国のイラン攻撃をめぐり、日本政府が「(米国は)核兵器保有を阻止するという決意を示した」(林芳正官房長官)と理解を示す見解を発表したのは、唯一の同盟国でもあり、関税交渉中でもあるトランプ米政権への配慮とみられる。だが、イラン攻撃に対する日本の評価はイスラエルと米国との間で一変しており、「二枚舌外交」との批判は免れそうにない。
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「今回の米国の対応は事態の早期沈静化を求めつつ、(米国は)イランの核兵器保有を阻止する決意を示した」。林氏は23日の記者会見でこう述べ、政府見解を示した。米国への支持は明言しなかったが、「イランの核問題を取り巻く状況が極めて困難ななか、米国はこれまで対話を真剣に追求している」とも述べ、米国に寄り添う姿勢を強調した。
日本政府の今回の態度表明は、2003年の米国のイラク攻撃を小泉純一郎首相(当時)が「支持」を明言したほどは踏み込んではいない。しかし、イスラエルがイランを空爆した13日、石破茂首相が記者団に「イスラエルにより軍事的な手段が用いられたことは到底許容できない。極めて遺憾であり、日本国として強く非難する」と表明しており、これとは対照的な態度表明となった。
上智大学の東大作教授(国際…