吉田都さん=2024年12月、東京都渋谷区、井手さゆり撮影

 新国立劇場バレエ団が24日夜、ロンドンで初めてとなる海外公演を行った。舞台は世界最高峰の歌劇場「ロイヤル・オペラ・ハウス」(ROH)。公演は27日までで、計5回に及ぶ。舞踊芸術監督を務める吉田都さんは、ROHを拠点とする英ロイヤル・バレエ団で最高位のダンサー「プリンシパル」を務めていた。「凱旋(がいせん)公演」に何を思うのか。25日、ROHで朝日新聞の取材に応じた。主なやりとりは以下の通り。

 ――戻ってきましたね。

 懐かしいというか、ほっとできる場所ですね。自分が自分でいられる場所だな、と。日本ではやはり、以前はバレリーナとして、いまは監督として、「この場ではこうあるべきだ」という姿があり、自分を押し込めている感じがありました。英国ではもっと自由に、「吉田都」としていられる感じがあります。

 ――過去のインタビューでは、ダンサー時代の話として「自信がなかった」と繰り返しています。監督になって、「自信」の部分に変化はありますか。

 自信はやっぱり持てずにいます。いつも自分の中で疑問を感じ、「指導者としてこれでいいのだろうか」と。ただ、今回の公演に関しては、4月に日本で上演した際に「大丈夫。ロンドンのみなさんに喜んでもらえる」と感じました。

 ――英国の注目度も高く、初日のチケットは完売。2256席が埋まりました。手応えはいかがでしょうか。

 やはり、最初はすごく空気が…

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