米ニューヨークにある国連本部前のフェンスに設置されている国連のロゴ=2022年9月、遠田寛生撮影

 軍縮を担当する国連総会第1委員会は1日、日本政府が提出した核廃絶決議案を145カ国の賛成多数で採択した。反対は中国、北朝鮮、イラン、ニカラグア、ロシア、シリアの6カ国。イスラエルなど29カ国が棄権した。12月上旬に総会本会議で正式に採択される見通しだ。

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 日本国連代表部によると、51カ国が共同提案国に名を連ねた。核不拡散条約(NPT)で核の保有が認められている米国と英国は賛成に回り、フランスは棄権した。

 日本による決議案の提出は1994年から31年連続。賛成と棄権の国は昨年の委員会での採決時と同数で、南アフリカが棄権に回ったことで反対が1カ国減った。

 決議では「核兵器のない世界」の実現に向けてNPTの強化などを掲げる一方、核兵器禁止条約に関しては「条約発効や第1回、第2回締約国会議開催に留意」との言及にとどまった。

 昨年からの変更点の一つとして、今年は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞について触れている。発表は決議案提出の直前だったが、日本政府として意義深いと判断し、急きょ反映した。「世界各地で長年にわたり草の根の活動を続け、その経験を後世に伝えている」人たちの一例として、「ノーベル平和賞を受賞した日本被団協」という文言を加えたという。

 国際情勢が緊迫し、核廃絶や…

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