「侍タイムスリッパー」の登場人物がデザインされた油日神社の御朱印帳=2025年3月18日午後、滋賀県甲賀市、新井義顕撮影

 14日に発表された日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞し、大ヒット中の自主制作映画「侍タイムスリッパー」。このロケが行われた滋賀県甲賀市の油日(あぶらひ)神社が、映画をモチーフにした御朱印帳を作った。20日から直接参拝した人に限り、手に入れることができる。

 映画は、現代の撮影所にタイムスリップした幕末の会津藩士が、時代劇の「斬られ役」として生きていく姿を描くSFコメディー。昨年8月、東京で単館上映後、SNSや口コミで話題に。全国で上映が相次ぎ、興行収入は9億円を超えた。

 御朱印帳の表紙には、俳優の田村ツトムさんが演じる劇中のテレビ時代劇の主人公「心配無用ノ介」、裏表紙には高寺裕司さんが演じる「丸顔のご同輩」が、油日神社の楼門前に描かれている。

数々の映画やドラマのロケ地になった油日神社=2025年3月18日午後0時6分、滋賀県甲賀市、新井義顕撮影

 油日神社はこれまでに40以上の映画やドラマのロケで使われており、「侍タイムスリッパー」では、クライマックスの迫力ある立ち回りシーンが収録された。ファンがロケ地をめぐる「聖地」にもなっており、多くの映画ファンが訪れるという。以前から神社の御朱印帳を作ろうと考えていた瀬古健(せこたけし)宮司が、撮影中の安田淳一監督や出演者の熱気に触れ、神社としても後押しできれば、と発案。草津に舞台あいさつに来た安田監督と田村さんの快諾を得て、写真素材の提供を受けた。

 御朱印帳は同じデザインで大小の2種類あり、600部を作った。大はサテン地を使った高級版で4千円、小は2600万円の映画制作費にちなみ、2600円。年に数回、境内でロケが行われることがあり、すぐに参拝できないこともある。神社の詳細はホームページ(https://www.aburahijinjya.jp/)で。

御朱印帳をデザインしたグラフィックデザイナーの瀬古奈美さん=2025年3月18日午前、滋賀県甲賀市、新井義顕撮影

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