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 9月下旬から10月初旬に開催された2025年春夏シーズンのパリ・ファッションウィーク(PFW)。今回も多数の日本ブランドが公式スケジュールに入り、その存在感を示した。

 パリ市庁舎でショーを開催したヨウジヤマモト(山本耀司)の今季の特徴は、極めて薄いレースやシルクなどの素材を重ねていることだ。制作にあたって山本は「何ものにもとらわれず、壊すことから始めた」という。肌が露出する部分と立体的なパターンの生地の組み合わせ、繊細なカッティングは熟練の技術ならではの出来栄えだ。ランウェーのライティングを極めて強くし、中盤までのBGMはピアノの生演奏で「津軽海峡冬景色」「なごり雪」など日本の楽曲が流れるという演出だった。

 異素材を組み合わせる「ハイブリッド」を看板に世界的ブランドに駆け上がったサカイ(阿部千登勢)のショーでは今回、解体・再構築の服が印象的だった。コートは、肩から胸の上部あたりまで生地が外側にめくれるようになっており、ドレスにスタイリングできる。もちろんフリルやシフォンなどを他の素材と巧みに組み合わせた「サカイらしさ」ともしっかり両立している。阿部は「オリジナルなアイデアを現代風にアレンジし再構築することで、新しいものを生み出した」という。

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