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開発した3種類の缶詰=2024年4月25日午前10時9分、千葉市若葉区のITSUMO、前田基行撮影
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 縄文時代の食文化を楽しんでもらおうと、千葉市の会社が、縄文人が食べていたとされる巻き貝の「イボキサゴ」のだしを使った3種類の缶詰をつくった。イボキサゴのだしは「日本最古の調味料」ともいわれ、同社は「古代の味を感じてほしい」と意気込んでいる。

 缶詰を開発したのは、重度知的障害者の生活や就労の支援を手がける「ベストサポート」(同市若葉区、竹嶋信洋代表)で、4月下旬から販売を始めた。

 若葉区には、縄文時代の貝塚としては日本最大級の「加曽利貝塚」がある。市内では数年前から、貝塚から多く出土するイボキサゴにちなみ、「縄文グルメ」として売り出そうという動きが始まっている。同社は「お店でしか食べられない縄文の味を全国に届けたい」と缶詰化を思い立った。

 イボキサゴは直径2センチほどの小さな巻き貝。木更津市の盤洲干潟などに多く生息しているが、身として食べられる部分が少なく、今は大半が捨てられているという。

試行錯誤の結果

 担当の新井ありささん(36)によると、最初はイボキサゴの身入りの缶詰をつくろうと試みたが、「身が小さく手間がかかり、大量生産できない」と断念。そこで、千葉市内の有志らでつくる「縄文グルメ推進委員会」(同区、2021年発足)が開発したイボキサゴの濃縮エキス「縄文だし」を用いることにした。

 試行錯誤を重ね、約1年がかりで完成したのが、「ピーナッツとマッシュルームの混ぜごはんの素」(90グラム、税込み600円)と、「トマトクリームソース」(175グラム、同)「ペペロンチーノ」(70グラム、同)の2種類のパスタソース。県産の落花生やマッシュルームを使うなど地場産品にこだわっている。

 パッケージのデザインは、絵を描くことが得意な重度知的障害のある利用者に描いてもらった。

 イボキサゴはサザエのような味わいでうまみがあるといい、新井さんは「地元の新鮮な食材をふんだんに使い、ぜいたくな一品に仕上げた。千葉の魅力を全国に伝えたい」と話している。

 商品は通販サイト(https://itsumo2019.shopselect.net/別ウインドウで開きます)で取り扱っているほか、同社が運営する生活介護事業所「ITSUMO(イツモ)」(若葉区貝塚2丁目)内の缶詰カフェで販売している。問い合わせは、同事業所(043・310・7970)へ。(前田基行)

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