ノーベル平和賞受賞の知らせに、笑顔を見せる広島県被団協の箕牧智之理事長=2024年10月11日午後6時1分、広島市中区の広島市役所、上田潤撮影

 ノルウェーのノーベル委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表した。授賞理由について、「核兵器が二度と使われてはならないと、証言をしてきた」とした。日本のノーベル平和賞受賞は、1974年の佐藤栄作元首相以来50年ぶり。

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 ノーベル委員会は、「被爆者は、筆舌に尽くしがたいものを描写し、考えられないようなことに思いをいたし、核兵器によって引き起こされた理解が及ばない痛み、苦しみを理解する一助となった」とし、「今日、核兵器の使用に対する『タブー』が圧力を受けていることは憂慮すべきである」と懸念も示した。

 そのうえで、「ノーベルのビジョンの核心は、献身的な個人が変化をもたらすことができるという信念。肉体的苦痛やつらい記憶にもかかわらず、平和への希望、関与をはぐくむために役立てることを選んだすべての被爆者をたたえたい」といたわった。また、「いつの日か、被爆者は歴史の証人ではなくなるだろう。ただ、日本の若い世代は被爆者の経験とメッセージを受け継いでいる。彼らは世界中の人々を鼓舞、教育している。人類の平和な未来の前提条件である、『核兵器のタブー』を維持する一助になっている」とたたえた。

 平和賞はアルフレッド・ノー…

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