フィリピンを訪問中の中谷元・防衛相は23日、ルソン島のワレス空軍基地で、日本が輸出した防空用の警戒管制レーダーを視察した。飛来するミサイルや戦闘機を感知するレーダーで、中谷氏は視察後に記者団に「日本の技術がフィリピンの国防の役に立っておりうれしく感じる」と述べた。
視察にはフィリピンのテオドロ国防相も同行した。視察したレーダーは、日本政府が2014年に策定した防衛装備移転三原則の下で初となる完成品の輸出案件。日本から計4機を納入する契約で、固定式の1機目が23年10月、移動式の2機目が24年3月に納入され、いずれも同基地内にある。
基地は、中国がフィリピンに対し挑発的な活動を続ける南シナ海に面している。中谷氏は「この地域は、中国船の行動が頻繁に増え、大型化し、装備も強力になっている。よりしっかりとした警戒監視が必要だ」と指摘。「日本の装備品が、地域の平和と安定に役に立っている。今後ともさらなる装備移転、防衛協力に取り組む」と強調した。