日立製作所が公開した新しい鉄道工場には、車両のキズを検知する犬型ロボットもいる=2025年9月8日、米メリーランド州ヘイガーズタウン、榊原謙撮影

 日立製作所は8日、米東部メリーランド州で建設していた新しい鉄道車両工場を本格稼働させた。首都ワシントンを走る地下鉄をはじめ、北米各地の鉄道事業者に車両を納める。鉄道は同社の中核事業で、新工場は車両の更新需要などが増えるとみこむ北米の最大拠点とする。

 新工場はワシントンから北西約100キロのメリーランド州ヘイガーズタウンに建設していた。2024年から部分的に稼働を始め、同州ボルティモアの地下鉄に車両を納めている。

 地下鉄6路線を運行するワシントン首都圏交通局のランディー・クラーク最高経営責任者(CEO)は8日、朝日新聞などの取材に、新工場で製造された試験車両を2027年後半から投入し、28年から本格的に運行すると明らかにした。

 新工場の総投資額は1億ドル(約148億円)。このうち3割は、工場への人工知能(AI)導入やデジタル化に充てられた。四足歩行の犬型ロボットが車両の周辺を歩き回り、搭載したセンサーで車両表面のキズを検知するなど、品質管理能力を高めた。

 一カ月の製造能力は最大20…

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