1985年8月の日航ジャンボ機墜落事故で夫を亡くした谷口真知子さん(77)=大阪府箕面市=が16日、墜落現場となった群馬県上野村の御巣鷹の尾根を訪れ、墓標に手を合わせた。その後、地元の小学校に、自ら手掛けた絵本「パパの柿の木」の改訂版を寄贈した。

改訂版の絵本を上野小学校に寄贈した谷口真知子さん(左)=2025年7月16日午後1時26分、群馬県上野村、小幡淳一撮影

 乗客・乗員520人が亡くなった事故は8月12日で40年になる。

 谷口さんの夫、正勝さん(当時40)は出張帰りに羽田発大阪行きの日航機に乗っていた。事故後、機内でしたためた「まち子 子供よろしく」という遺書が現場で見つかった。この年の秋、正勝さんが5年前に庭に植えた柿の木が初めて実をつけ、当時中学1年生だった長男は「パパからのプレゼントだ」と喜んだ。こうしたエピソードをもとに、絵本は次男の目線で事故や家族の大切さを描き、2016年に出版された。

 谷口さんは「事故のことを若い人や子供たちにも知ってもらいたい」と各地で絵本の読み聞かせや朗読講演会を続けてきた。絵本のテーマソングを作った箕面市出身のシンガー・ソングライター北川たつやさん(40)も出演し、これまでに約50回開いたという。

 改訂版の絵本は活動の歩みを…

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