「もがみ」型護衛艦の能力向上型のイメージ=三菱重工業提供

 豪州のマールズ副首相兼国防相が近く訪日し、東京・市谷の防衛省で、中谷元・防衛相と会談を行う方向で調整していることがわかった。会談は9月5日を軸に調整している。豪州海軍の新型艦の導入計画をめぐり、正式な契約締結を来年初めに控えるなか、日豪連携を確認する。

 複数の政府関係者が22日、明らかにした。豪州政府は今月、三菱重工業の「もがみ」型護衛艦の能力向上型をベースに共同開発するという日本の提案を採用する方針を発表。最終候補に残っていたドイツの提案を抑え、総額100億豪ドル(約9500億円)を見込む大型の装備移転案件とあって、防衛省内には高揚感がにじむ。

 今月4日夜、防衛大臣室。当日になって急きょ設定された日豪防衛相のテレビ電話協議は、中谷氏があいさつもそこそこに「結果を聞かせて」と切り出した。笑みを浮かべていたマールズ氏が真顔になり、「日本案を採用することに決めた。もがみはベストな艦艇だ」。中谷氏は拍手し、輸出の実現に向けて「全面的に協力する」と伝えたという。

 同席した幹部は、マールズ氏…

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