日本銀行の中村豊明審議委員は6日、札幌市で講演し、「当面は現状の政策維持が妥当」と述べ、早期の追加利上げに慎重な姿勢を示した。講演後の会見でも、利上げの時期について問われ、実質賃金がマイナスの状況が続いているなどとして「今のタイミングでは早い」とした。
中村氏は日立製作所出身。今後の物価について、節約志向の高まりで個人消費が低迷し、値上げの動きが収まるリスクを指摘。2025年度以降の物価上昇率は、日銀が目標とする2%に「届かない可能性がある」との見方を示した。
また、日銀が重視する賃上げについて、中小企業は大企業に比べて「稼ぐ力」が弱いとし、「持続性に確信を持てない」。このため、金融政策の変更を考えるうえでは「実質賃金がプラスになり、個人消費が高まらないといけない」と強調した。
市場では日銀が13、14日…