日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の式典で演説する李在明大統領=2025年8月15日午前、ソウル、東亜日報提供

 韓国の李在明(イジェミョン)大統領は15日午前、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の式典で演説した。日本政府に「歴史の直視」を求めつつ、日韓関係では「未来志向的な共生と協力の道を模索する」と述べた。北朝鮮との関係については「今すぐ信頼の回復と対話の再開に取り組む」とした。

 李氏は6月の就任以降、日米韓協力や日韓関係の重要性を主張し続け、日本との歴史問題についても、過去に両国間で確認した合意事項などを尊重する考えを示してきた。

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 この日の演説では日本について「経済発展において切り離せない重要なパートナー」であり、「シャトル外交を通じて(首相と)頻繁に会い、率直に対話していく」とした。一方で元徴用工など日韓の歴史問題への直接的な言及は避けつつも、「日本政府が過去の痛ましい歴史を直視し、両国間の信頼が損なわれないよう努力してくれるものと期待する」と釘を刺した。

 北朝鮮については「現在の北側の体制を尊重し、いかなる形の吸収統一も求めず、一切の敵対行為を行う意思もないことを明確にする」と強調した。

 強硬な姿勢を貫いた尹錫悦(ユンソンニョル)前政権のもとで「南北対話が完全に途絶えた」と指摘。自身の政権下では軍事境界線付近での拡声機による北朝鮮向けの宣伝放送を中止するなど、緊張緩和に向けた措置を実施してきたことに触れたうえで、信頼回復に向けた行動を貫く考えを示した。

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