特別検察官のもとに出頭する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁(中央)=2025年9月17日午前、ソウル、清水大輔撮影

 韓国の特別検察官は18日、政治資金法違反や請託禁止法違反などの容疑で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁に対する逮捕状を裁判所に請求した。韓氏は教団幹部と共謀して尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の妻や側近に金品を不正に授与した疑いがある。裁判所は22日に韓氏の逮捕状を出すかどうかを決める令状審査を開く。

 韓氏は17日に特別検察官のもとに出頭し、事情聴取を受けた。特別検察側によると、容疑の多くを否認しているという。

 韓氏は自身の最側近で教団幹部だったユン・ヨンホ氏=政治資金法違反などの罪で公判中=と共謀した上で2022年1月、保守系の最大野党・国民の力の権性東(クォンソンドン)国会議員=政治資金法違反の疑いで逮捕=に対し、2カ月後に投開票される大統領選で教団の組織票や資金の提供を約束し、1億ウォン(約1千万円)を渡した疑いがある。

 また、韓氏はユン元幹部と共謀し、尹氏が大統領に当選した後の同年4~7月、尹氏の妻・金建希(キムゴニ)氏=あっせん収財罪などで起訴=に対し高級バッグやネックレスなどを贈った疑いがある。

 特別検察側は、これらの行為はいずれも教団の影響力拡大につながる事業に便宜を図ってもらう目的だったとみている。

 旧統一教会は1954年に韓国で文鮮明(ムンソンミョン)氏が設立。2012年に文氏が死去し、妻の韓氏が総裁を継いだ。

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