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明治安田生命の事務オペレーション部で働く鈴木秀治さん(66)。70歳を過ぎても働きたいという=2024年8月30日、東京都江東区東陽、森下香枝撮影

 会社員はいつまで働くのか。60~65歳を定年とする日本企業が多い中で、65歳を超えても働ける企業や、定年をなくしてしまう企業も出てきている。「定年の柔軟化」をめぐる動きを取材した。

 「後輩から最近、70歳まで働くかどうか迷っている、という相談をよく受けます」

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 こう語るのは、生命保険大手の明治安田生命事務オペレーション部で働く鈴木秀治さん(66)だ。

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 同社は7月、2027年度から本人の希望に応じて定年を70歳まで延長する方針を発表した。週3日勤務や時短など、勤務日数や働き方を社員が選べるようになり、同じ職務であれば同じ賃金となるという。さらに退職金をもらう時期も選択でき、勤続年数に応じて支給額が増える予定だ。

 1981年入社の鈴木さんは、定年退職後、70歳までの継続雇用制度で嘱託社員として再雇用された。本社の営業教育部教習室長、4カ所の営業所長などを歴任した勤続40年以上の大ベテランだ。

 全国の支社から死亡保険金、入院給付金などの支払いの相談を受けてアドバイスをする業務を担い、フルタイムで働く。

 現在、同社で鈴木さんのように働く60歳以上のシニアは約1400人いる。全体の13%に上り、貴重な戦力になっている。

 鈴木さんによると、65歳以上になっても働きたいという後輩は、体感的に6割ほど。残りは「ゆっくりしたい」と退職を考えているという。

記事の後半では20年かけて「定年廃止」を導入したYKKの人事部長がその道のりを語ります。

 働くにせよ、定年退職するに…

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