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【ニュートンから】宇宙農業の最前線(4)

 人間が地球から遠くはなれた月や火星で長期間生活するための宇宙農業を実現するには,環境制御技術や宇宙に適した品種の開発によって収量をふやすだけでは実現できない。「植物の食べられない部分や人間の排泄物を植物の肥料として資源化し,物質循環系をまわす必要があります」と千葉大学宇宙園芸研究センターの髙橋秀幸センター長は話す。そこで宇宙農業の実現に向けて,宇宙に適した品種,栽培技術,物質循環の三つの視点で統合的な研究が世界各国で行われている。千葉大学宇宙園芸研究センターもその一つだ。

 品種については,宇宙環境でも安定して生育する宇宙専用の品種(宇宙品種)の開発が不可欠だ。せまい空間でも密集して育てられる背丈が低い品種や,早く収穫できる品種,栄養成分を補強した品種,少ない水で育つ品種などが,遺伝子編集技術などを使って開発されている。

 栽培技術に関しては,低重力・低圧といった宇宙環境で植物を効率的に育てるための環境制御技術や栽培技術が求められる。人が手をかけなくても種まきから生育,収穫まで一貫して栽培できる無人化技術や,室内の温度や湿度などを監視して自動で調整する遠隔監視技術も必要だ。

 物質循環に関しては,月面や…

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