Smiley face
写真・図版
朝日新聞高知版の元俳壇選者・橋田憲明さんと句集=2025年4月17日、高知市、竹田真志夫撮影
  • 写真・図版

 俳句結社「ホトトギス」の同人で、朝日新聞高知版の俳壇選者を長く務めた橋田憲明さん(92)=高知市=が句集を出した。昭和から令和まで73年間の集大成で、およそ1650句を収めながら「もう1冊作りたいね」と明るく笑うのだった。

 橋田さんは高知県森山村(現・高知市春野町)出身。「ホトトギス」を主宰した高浜虚子(1874~1959)の弟子、川田十雨(じゅうう)が近くに住んでいた。

 地元の先輩が十雨に俳句を学んでいたことから、橋田さんも自然と句会に通うように。1950(昭和25)年、17歳のとき、初めて俳誌「ホトトギス」に入選した。

 南学の発祥地とや遍路行く

 虚子選で、ことのほか十雨が喜んだ。「その句を書いて、(十雨の自宅の)このふすまに貼れ」と言われたそうだ。

 戦後間もない物不足のころ。橋田さんは封筒を短冊に切って句をしたため、「ふすまの片隅におそるおそる貼った」ことをおぼえている。

 入選句で触れた南学は土佐で…

共有