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事故現場の県道交差点=2024年11月28日午前10時58分、大分市、貞松慎二郎撮影

 大分市内の一般道を時速194キロで運転し死亡事故を起こした元少年(23)の裁判で、検察、弁護側双方が12日、福岡高裁に控訴した。自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)の罪を認定し懲役8年(求刑懲役12年)とした大分地裁判決を不服とした。

 地裁判決は194キロという速度は「わずかなミスにより車を進路から逸脱させ事故を発生させる危険性がある速度」などとして危険運転の罪を適用。一方、「妨害目的で接近し重大な危険を生じさせる速度」という類型にはあたらないとした。

 大分地検の小山陽一郎次席検事は「上級庁の福岡高検と協議するほか、もろもろの事情を総合的に判断した結果だ」とした上で「妨害目的が成立しないとした点について法令解釈の適用に誤りと事実誤認がある」「量刑についても8年は不当」と控訴理由を説明した。

 事故で亡くなった小柳憲さん(当時50)の遺族は今月4日、代理人弁護士を通じて大分地検に控訴を求める意見書を提出。代理人弁護士は「危険性や悪質性に鑑みれば懲役8年は軽い」と述べ、「この程度の刑罰に過ぎないとの認識を社会に広めてしまう」と説明していた。

 地検の控訴を受け遺族は「ひとまず安心しました。今後、高裁が高速度による進行制御困難との判断を維持した上で、妨害目的についても認め、検察の求刑を踏まえ、適切な量刑判断がなされることを強く願っています」などとするコメントを出した。

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