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ハイチの首都ポルトープランスの大統領官邸近くで2024年3月21日、銃撃から身を守ろうとする人たち=ロイター
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 カリブ海の島国ハイチで治安が急速に悪化し、米メディアなどの報道によると、首都ポルトープランスは略奪や殺人などで「無法地帯」と化しています。かつて中南米で最も豊かで先進性があったとされるハイチには、それがゆえに苦難も降りかかったといいます。アジア経済研究所の新領域研究センター主任研究員で、カリブ地域情勢に詳しい山岡加奈子さんに聞きました。

 ――混乱のきっかけは何なのでしょう。

 まず、ハイチは政府が非常に弱い国です。その最大の原因はハイチの政治文化にあります。政党と言えるものはほとんどなく、政治家はほぼ全員が一匹おおかみ。足を引っ張り合い、政敵を攻撃し、勝つためなら選挙日程まで変更し、立候補の届け出書類に難癖をつけて選挙に出られなくするような妨害もあります。

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