【動画】H2Aロケット最終機が発射点へ移動=日吉健吾撮影
H2Aロケットとして最後となる50号機が、29日午前1時33分3秒に打ち上げられる。気候変動の予測に役立てるため、二酸化炭素やメタン、海面水温などを観測する衛星「いぶきGW」を搭載する。
28日午前、種子島宇宙センター(鹿児島県)のロケット組み立て棟から発射点へ機体が移動した。午前10時半ごろ、機体は組み立て棟を出発し、発射点に約30分かけて移動。燃料を注入し、打ち上げに向けて最終準備に入る。
当初、24日の打ち上げだったが、機体の電気系統の機器に異常が見つかり、交換したため日程を延期していた。
H2Aは2001年に初号機が打ち上げられ、日本の宇宙への「足」として、24年間で計約100の衛星を宇宙へ運んだ。
失敗は03年の6号機1回のみ。今回成功すれば、成功率は98%に達し、日本の宇宙開発への信頼を高めたロケットが引退となる。
種子島宇宙センター敷地内の「ロケットの丘展望所」には多くのロケットファンが詰めかけ、機体が移動する様子を写真や動画に収めていた。
愛知県大府市の冨田悠貴さん(14)は「連れて行ってくれないと一生恨むからね」と母にお願いし、親子で訪れた。今回のために三脚を購入し、カメラをレンタルした。
顔を出した50号機を見て「めっちゃかっこよかった。H2Aは一番最初に好きになったロケットなので、最後なのは寂しいが、打ち上げもばっちりカメラに収めたい」と話した。
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朝日新聞のデジタル版では、H2A打ち上げの模様をライブ中継する予定。