今年7月に就役した海上保安庁で最新鋭の練習船「いつくしま」(約5500トン)が横浜港に寄港し、23日に一般公開された。約2500人以上が訪れ、船の設備や実習生の生活などを見て回った。
いつくしまは幹部を養成する海上保安大学校(広島県)の練習船で、長さ約134メートル、幅16・3メートル、速力20ノット以上で、総トン数は歴代の練習船で最大。今月から初めての洋上演習を行っており、学生約80人が日本一周をしている。
船を操作するブリッジ(船橋)が、実習用と実践用と二つあるのが特徴で、実習生らがレーダーや、船操縦ハンドルの舵輪(だりん)などについて来場者に説明した。
難易度の高い救助を担う特殊救難隊による救助訓練もあり、「海での事件・事故は118番通報を」と呼びかけた。
幼い頃に海難救助の訓練を見て海上保安官を目指したという横浜市出身の鳥居(とりい)心(しん)さん(20)は、「(船内は)充実した環境の中で生活でき、高いモチベーションで学べている。将来は潜水士を志望し、特殊救難隊として活躍したい」と話した。(増山祐史)