マンホールから顔をのぞかせるアライグマの「カール」=茶臼山動物園提供

 マンホールのふたを器用に開け閉めする姿が「きちょうめん」とSNSで人気を博した、長野市茶臼山動物園のアライグマ「カール」(オス)が5日、肝不全で亡くなった。長寿の15歳だった。

 カールは2009年8月、軽井沢町の別荘地で姉のイザベルとともに有害鳥獣駆除で捕獲され、推定4カ月で園に引き取られた。

 朝方にマンホールのふた(直径約30センチ、重さ4キロ)を開け、日中は深さ約60センチの穴の中で丸まって寝るのが日課だった。隙間が残らないようにふたをきちんと閉める様が「きちょうめん」と評判を呼んだ。

 こうした行動は先にイザベラに見られた。16年にイザベラが死亡してからはカールが行うようになり、17年にその動画が注目を集めた。

 宮本公寿飼育員によると、亡くなる前日の4日は食事を取れていなかったものの、ゆっくりとした動きでマンホールを出入りしていたという。

 宮本さんは「小さい体で大きな思い出を、多くの来園者に残してくれた」とねぎらった。

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