中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)6号」が月の裏側の土を載せて地球に戻ってきた。その土を調べると、何が見えてくるのか。
- 月の裏側の土を採取し地球に帰還 中国の無人探査機、史上初
月は常に表側を地球に向けており、裏側は長く「未知の領域」だった。
千葉工業大惑星探査研究センターの荒井朋子所長(月惑星科学)は「裏側のサンプルは月の起源や歴史を知るのに不可欠。研究者にとって長年の悲願だった」と語る。
半世紀前のアポロ計画で月の石を持ち帰り、月研究は大きく進んだ。当時は表と裏には大きな違いは無いと考えられていた。
だが、1990年代ごろから本格化した人工衛星による観測や、月からの隕石(いんせき)の分析により、異なることが分かってきた。
月の表には、白っぽく見える…