「泣くワラスはいねがあ」「悪い子はいねがあ」―― 秋田のナマハゲ? いえいえ、岩手県沿岸部でも古くから伝わるナマハゲのような小正月の行事がある。15日夜、野田村と岩泉町では「なもみ」、大船渡市では「吉浜のスネカ」が行われた。異形の面を着けたなもみやスネカが家や商店街をまわり、人々は年の始まりを祝って豊穣(ほうじょう)や豊漁、子どもの健やかな成長を願った。
200年以上続く伝統 腰にアワビの貝殻
大船渡市の吉浜地区に伝わる「吉浜のスネカ」は、200年以上続くとされる。2018年にはユネスコの無形文化遺産に、「男鹿のナマハゲ」などとともに日本各地で伝わる「来訪神」の一つとして登録された。この日はスネカ10体が出発式の後、吉浜地区の約300世帯をまわった。
保存会によると、スネカは、とがった牙や角が生え、鬼とも化け物ともつかない恐ろしい異形の面が特徴。「豊漁」を願って、腰に吉浜名産アワビの貝殻をぶら下げる。
「五穀豊穣」の意を込めて…