3月2日付朝日歌壇の入選歌40首をお届けします。選者は馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さんです。☆は共選作です。
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馬場あき子選
スカートも前髪も恋も短くて青春はすこしだけ寒かった(相模原市)榎本 ハナ
未来とはあたたかきものふんわりと抱きしめる子の中にあふれる(広島市)永井 歌歩
十日間連続で息子雪かきす雪のない地へ移住とは言わず(新発田市)岡村 愛子
大雪の天気予報はふるさとのわれは佐渡見る妻は水戸見る(東金市)山本 寒苦
送り来し寒鱈の身のぷるぷると荒ぶる海を生き来し厚み(長井市)大竹紀美恵
罪ふかき感じただようプラごみの袋あふるる木曜の朝(仙台市)沼沢 修
山へ行く我に登山を忌む母の結びくれたる大きおにぎり(盛岡市)渡辺 恭
母焼いて帰りのバスは賑やかなり我は温かき骨壺を抱く(藤沢市)貝崎みちえ
如月(きさらぎ)の光と風を吸い込みて和布干したるふるさとの浜(大和市)水口 伸生
波寄せて視野の広がる春の海足の裏まで愉快になりぬ(厚木市)北村 純一
【評】第一首の作者の青春は颯爽(さっそう)として涼しげだが、下句には「すこしだけ寒かった」とある。それがいい。少し精神的に満たされないものがあってこそ、その後の充足がある。第二首は二句までのまとめ方がやさしい。そんな未来でありたい。
佐佐木幸綱選
☆目の前できょとんとしてるカ…