全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ第21回本屋大賞が10日に発表され、宮島未奈さん(40)の小説「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)に決まった。
受賞作は、大津市を舞台に地元愛あふれる主人公、成瀬あかりの青春を描く。閉店間近の地元百貨店を応援したり、幼なじみと漫才コンビを結成したり、我が道を行く成瀬に周りの友人らも少しずつ変化していく。
宮島さんは1983年静岡県生まれ、大津市在住。2021年に短編「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR―18文学賞」大賞などを受賞。23年に同作を含む「成瀬は天下を取りにいく」で単行本デビューした。24年1月には続編「成瀬は信じた道をいく」が刊行されている。
今回の本屋大賞は22年12月~23年11月に刊行された日本の小説が対象。全国の書店員の投票で大賞を決めた。
- 本屋大賞を受賞した宮島未奈さん「私の力というより、成瀬の力です」
- 本屋大賞、翻訳部門は韓国から作者が来場 発掘部門は井上夢人さん
本屋大賞2位以下の作品
2位 津村記久子「水車小屋のネネ」(毎日新聞出版)
3位 塩田武士「存在のすべてを」(朝日新聞出版)
4位 夏川草介「スピノザの診察室」(水鈴社)
5位 多崎礼「レーエンデ国物語」(講談社)
6位 川上未映子「黄色い家」(中央公論新社)
7位 青山美智子「リカバリー・カバヒコ」(光文社)
8位 凪良(なぎら)ゆう「星を編む」(講談社)
9位 知念実希人「放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件」(ライツ社)
10位 小川哲「君が手にするはずだった黄金について」(新潮社)