レジ前に設けられた阿部暁子さんの特設コーナー=2025年4月10日午後1時、盛岡市大通2丁目、佐藤善一撮影

 全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ第22回本屋大賞に岩手県花巻市在住で県立花巻北高出身の阿部暁子さんの「カフネ」が選ばれ、地元の花巻市立花巻図書館では、急きょ特設コーナーが作られた。

 特設コーナーには、阿部さんの著書や過去の本屋大賞受賞作などを集めた。司書の一人は「地元の作家さんなので予約も多く、大賞受賞で問い合わせも相次いでいます。本当にうれしい」と話した。花巻市も市のホームページで「花巻の作家、阿部暁子さんの『カフネ』が本屋大賞を受賞しました!」と祝福した。

 盛岡市大通2丁目のさわや書店本店には「岩手出身作家 初の本屋大賞受賞」「岩手出身花巻在住阿部暁子」などのポップが掲げられた。ノミネート時点で1カ所だった特設コーナーは3カ所に増設した。仕入れた「カフネ」は異例に多い100冊。武蔵智子店長は「地元作家の受賞は本当にうれしい。大賞発表から、すでに10冊以上売れている。これも異例のこと。過去の作品も取りそろえているので、これまで本になじみのない人もぜひ手に取ってほしい」と話した。

 2008年にデビューした阿部さんは花巻北高3年だった03年、全国高校文芸コンクールの小説部門で最優秀賞と文部科学大臣奨励賞に輝いた。当時の取材に「小説家は、なれないと恥ずかしいので(なりたいと)思わないようにしています」と答えていた。

 さわや書店フェザン店では5月10日午後2時、阿部さんのサイン会を開く。要整理券。問い合わせは同店(019・625・6311)。

共有
Exit mobile version