衆院の代議士会で報告事項を伝える自民党の塩崎彰久副幹事長(中央)=2025年4月8日午後0時53分、国会内、高橋杏璃撮影

 派閥の裏金問題により麻生派以外の解散が決まった自民党が、情報共有に試行錯誤している。新たな試みとして衆参の本会議前の報告を始めたが、派閥のような突っ込んだやりとりは難しい。結局、親しい仲間同士が集まって情報交換しているのが現実のようだ。

 16日、参院本会議の前に自民の会派部屋で定例の議員総会が開かれた。「都道府県連の会長、幹事長へ、参院選に向けた取り組みについて文書を発出しました」。松山政司参院幹事長は、大型連休中の遊説活動を要請した点などを参加議員に伝えた。

 こうした取り組みは、党ガバナンス委員会が提言した「『派閥』の強い影響下にあった党運営からの脱却」を受けて、始めたものだ。衆院でも、本会議前の代議士会で情報共有が図られるようになった。

 ただし、効果はまだ見通せない。ある中堅議員は「幹部による党役員会の内容が分かるのはいい。これまでは派閥会合で聞くのみだった」と前向きに評価するが、「食事しつつ、腹を割って話さないと政局など重要な情報は入らない」(若手)との声もある。

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