大和ハウスプレミストドーム(札幌市豊平区)を運営する札幌市などが出資する第三セクター「札幌ドーム」の新社長に、元JTB北海道広域代表の阿部晃士氏(56)が選任された。23日の株主総会で決まり、就任会見を開いた。以下は主なやりとり。

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就任会見する札幌ドームの阿部晃士社長=2025年6月23日、札幌市

Q 日本ハムファイターズが本拠地を移転したいま、収益の柱をどうするのか。

A 現在、北海道コンサドーレ札幌がホームグラウンドとして使っていただいており、連携は今後とも強化させて頂きたい。全方位的にスポーツのみならずエンターテインメント、文化、また多くの市民、道民の方々に使われていただけるような施設を目指していく。海外のアーティストイベントの誘致を目指していきたい。

Q どのような経営戦略を立てているのか。

A 今まで「箱貸し」のイメージが強かった。もちろん箱を貸して利益を得ることは必要だとは思うが、どうやっていったら、北海道のためになるか。世界に誇れる北海道になるためにどうしたらいいのかなと考えると、ここを「交流創造施設」にしたい。

 子供たちにスポーツやイベント、ライブを見てもらい、これからこの北海道の日本が明るいんだなと、思ってもらえる施設にしていく。恵庭市や北広島市など道内の他都市との連携も強化したい。

Q 戦略を実現するためにどのように稼ぐか。

A 抜本的に営業の見直しをしたい。私も自ら積極的に営業する。他のドームの経営者にもあいさつに行く。エンターテインメントの力、スポーツの力が日本にはある。国内5大ドームでスクラムを組んで、もっと海外からの誘致も試みたい。

Q 収支改善策はどう考えるのか。

A 高く買ってくれるお客様だけを誘致すれば、利益はあがるかもしれない。でも、単に利益をあげるだけの札幌ドームでいいんでしょうか。

 市民、道民に利用していただき、喜びを分かちあう施設となるべきです。社会的責任を果たして、社会の支持をいただきながら生き残る。バランスを見ながら健全な経営を目指していく。この施設がなければ同時期に宿泊施設が満席に、飛行機も満席になることはないかもしれない。様々な経済波及効果がある。経常利益の議論も大切だが、別軸で札幌ドームの重要性を認識しなければいけない。

Q スノーマンのライブで予約がいっぱいになり、札幌に泊まれないから行かないという声もありました。ホテルとの協力などの考えは。

A ホテルの事業者の方々と懇…

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