公費負担となる札幌市職員の名刺の基本デザイン(表)。「笑顔になれる街」札幌をイメージしたロゴをあしらっている=札幌市提供

 札幌市は3日、長年にわたって市職員が「自腹」で作成してきた名刺について、今後は原則公費負担とすると発表した。人によってバラバラだったデザインも統一する。

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 名刺を自費で作成する慣習は全国の自治体にあり、札幌市もごく一部の部署をのぞいて例外ではなかった。多くの職員は入庁時に「仕事で使うものなのに、なぜ……」「民間企業なら会社負担が一般的なのに」などと違和感を抱きつつも、先輩職員らの姿をみて「そういうものか」と受け入れてきた。

 市職員を経て市長になった秋元克広市長も昨年6月の定例会見で同様の経験を明かし、「職員のモチベーションの意味でも改善したい」と語っていた。

 市職員は約2万人で、職務上必要な場合は全員が公費負担の対象。業者に個人で発注した場合の相場は100枚で1500円程度だが、自前の印刷センターを活用することで、紙、印刷代込みで100枚600円台と格安で作れる。

 デザインも公表した。表面には、市がめざす「笑顔になれる街」を象徴する「サッポロスマイルロゴ」を配し、裏面はライラックや雪など札幌の四季をイメージしたデザインを個人で選べる。

 市広報課の担当者は「名刺交換の際に、デザインが雑談のきっかけになることもある。市が大切にしていることが広がるという、シティープロモーション効果にも期待したい」と話している。

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