Smiley face
山中瑶子監督(左)と河合優実さん=17日、カンヌ
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 南仏で開催中の第77回カンヌ国際映画祭で、新鋭・山中瑶子監督の「ナミビアの砂漠」が注目を集めている。世界最高峰の映画祭で喝采を浴びた27歳の新作は、デビュー前の高校生だった俳優河合優実さん(23)との東京・東中野での出会いから生まれた。

 「ナミビアの砂漠」は、河合さん演じる21歳の主人公カナと、彼女を愛する2人の男性の関係をポップに描いている。

 同作が選出されたのは、新しい才能を発掘する監督週間。この部門は、日本からも大島渚や北野武ら数々の世界的監督を送り出しており、名監督への「登竜門」として知られる。

 ドラマ「不適切にもほどがある!」でも鮮烈な印象を残し、いまや注目度が最も高い若手俳優の河合優美さん。彼女は高校生だった6年前、東京のミニシアターで運命的な出会いをします。そのときに見せた彼女の「万能感」とは……。

 山中監督や河合さんら出演者は世界初上映に立ち会うため、カンヌ入り。17日の上映では満場の拍手がわき起こり、映画サイト「ザ・フィルム・バーディクト」は「砂漠」という言葉に掛けて「本作はカンヌの上映後、肥沃(ひよく)な土地を得られるだろう」とたたえた。

 山中監督が主演を河合さんに依頼したきっかけは、監督の前作「あみこ」が公開された2018年にさかのぼる。

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