東京証券取引所プライム市場に上場し、記念撮影をする東京メトロの幹部ら=2024年10月23日午後1時7分、東京都中央区、中村建太撮影

 東京証券取引所プライム市場に23日、株式を上場した東京メトロ。だが政府の関与は引き続き強く、上場を機に「ふつうの会社」になるわけではない。

 上場後も発行済み株式の半分を、国と東京都で当面保有することが適切――。国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会は2021年、そう答申した。

 両者が関与し続けることで、同社が進める有楽町線と南北線の延伸計画を確実に実行するためだ。少なくとも両路線が延伸開業を予定する30年代半ばまでは、国と都が主要株主として支配権を持ち続ける見通しだ。

 今回の上場では国と都がそれぞれの保有株を売り出したため、その売却益はメトロではなく、国と都が得る。

 さらに同社の設置根拠となっている東京地下鉄株式会社法は、代表取締役や監査役の選解任、新株の発行などには、国交相の認可が必要だと定めている。同法は「できる限り速やかにこの法律の廃止」をすることを付則に明記しているが、上場後も「廃止の予定は立っていない」(国交省)という。

 同社の社長、会長を含む役員…

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