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構内に設置された「東京科学大学」の新しい看板が除幕され、記念写真に納まる大竹尚登理事長(右)と田中雄二郎学長=2024年10月1日午後2時38分、東京都目黒区大岡山2丁目、吉田耕一郎撮影
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 東京工業大と東京医科歯科大が統合して1日、東京科学大が誕生した。国立大の統合は、2007年に大阪大が大阪外国語大を統合して以来。東京科学大は、国立大学法人の経常収益でみると東京大や京都大などに次いで7番目の規模となり、世界トップクラスの科学系総合大学を目指す。

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 経営を担う大竹尚登理事長(旧東工大教授)と、教育・研究を束ねる田中雄二郎学長(旧医科歯科大学長)の2トップ体制をとる。大学本部は東京都目黒区の旧東工大に置き、当面は旧2大学の学部名や定員を存続させる。学生数(学部生と大学院生)は旧東工大が計約1万人。旧医科歯科大が計約3千人。

 1日に記者会見に臨んだ大竹理事長は「科学の進歩を担い、科学の力を社会に還元する世界最高水準の科学大学をめざす」、田中学長は「両大学の学生や研究者がお互いの文化の違いから学ぶことを奨励して、自由でフラットな空間を作っていきたい」と述べた。

 旧東工大は理工系分野で、旧医科歯科大は医学分野で、それぞれ国内トップクラスの研究力を誇る。両大学とも世界最高水準の教育研究活動を期待され、国から規制緩和などの特例を受ける「指定国立大」だった。

 だが、欧米の理科系有力大と比べて、予算規模や引用の多い論文数などで、大きく水をあけられている。こうした状況の打開のため、「医工連携」を深めるなどして世界と戦える力を持ちたいと、統合を決断した。

 相乗効果を生み出すには、異なる文化の中で過ごしてきた両大学の教職員や学生が、スムーズに融和できるかがポイントになる。学生は机を並べて学び、研究者は協力して一つのテーマに挑戦するなど、大学として意識的に双方の出身者が集う場を作ることが必要だ。

 新大学の試金石となるのが、近く2度目の公募が予定される「国際卓越研究大学制度」。政府が作った10兆円規模の「大学ファンド」の運用益から毎年数百億円を受け取り、研究設備の充実や優秀な国内外の研究者の招聘につなげたいとして、応募する方針だ。

 統合について環境・社会理工学院の2年生の女性は「名称が変わるのは寂しいが、医工で連携する効果には期待している」。大学院医歯学研究科の博士課程の男性は「旧東工大の研究者を通じてメーカーなど他職種の人と接点を持つことができれば、勉強になることが多いと思う」と話した。

 旧東工大は1881年設立で理、工など6学院(学部に相当)。医科歯科大は1928年設立で、医、歯の2学部。(増谷文生、上野創)

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