東日本大震災の被災者に、市町村を通じて国や都道府県のお金を貸し付けた「災害援護資金」について、政府は22日、自治体から国などに返済する期限を延長すると決めた。自治体からの返済は8月から順次期限を迎えるなか、被災者の滞納額が計約65億円に上り、自治体が肩代わりを迫られていた。
- 災害援護資金「自治体の回収コスト見合わず」 国への返済期限延長
坂井学・防災担当相は閣議後の会見で「貸し付けられた資金について、当初に予定していた通りの返済が困難となっている被災者がいると認識している。(肩代わりを防ぐため)資金の原資を負担している国や都県への返済についても猶予してほしいという市町村からの要望を受けた対応だ」と述べた。
災害援護資金は、災害弔慰金法に基づいて、世帯主がけがをしたり、自宅が全半壊したりした被災者に、最大350万円を貸し付ける制度。原資の3分の2を国、3分の1を都道府県か政令指定都市が拠出し、市町村が貸し付けや回収の窓口になる。
内閣府によると、東日本大震災では岩手、宮城、福島など9都県で約3万件、約525億3千万円を貸し付けたが、滞納額は2023年9月時点で約1万件、約65億9千万円に上る。
東日本大震災では被災者の返…