東武伊勢崎線の独協大学前駅から東へ徒歩5分。歩道橋になっている太鼓橋「百代橋」が現れる。橋の上から眺めると、綾瀬川に沿った遊歩道に約1・5キロ続く松並木「草加松原」が遠くまで見える。
【撮影ワンポイント】草加松原
遊歩道にあるアーチ状の「矢立橋」の頂上付近から影が伸びる時間を待ち、通りかかる人の服の色や雰囲気を観察しながら、シャッターを切った。動感を出すため、あえて水平にせず、やや傾けて撮影している。(友永翔大)
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幹回りが2メートル以上ある堂々とした木、細い若木、遊歩道に覆いかぶさるように曲がった木……。旧国名の「武蔵」にちなんだ634本のクロマツは個性豊かだ。
木の幹には1本ずつ名刺大ほどの管理票がくくりつけられている。埼玉県草加市が松に番号をふって管理。土は毎年入れ替える。ワラで編んだ「こも」を一本一本巻き付ける「こも巻き」もして害虫から守る。
遊歩道では散歩する人やジョギングする人を多く見かける。木陰のベンチで静かに本を開く人も。歩道橋の階段で小刻みにステップを踏むトレーニング中の若い男性が目に入った。キックボクシングのプロ選手、指田烈(さしだれつ)さん(22)。毎日のように、ここでトレーニングしているという。「7月にある試合でベルトを取りたい」
遊歩道は、江戸時代に徳川幕府によって整備された旧日光街道だ。草加は、千住宿に次ぐ日光街道第2の宿駅として栄えた。俳人松尾芭蕉(1644~94)の「おくのほそ道」にも登場する。
松並木は幕府の指示によって…