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2024年の外国人来場者数が過去最多になった松本城=2024年11月9日、長野県松本市、小山裕一撮影
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 2024年に松本城を訪れた外国人観光客が19万人を超え、過去最多を更新した。入場者数に占める外国人の割合も、過去最多の19・4%だった。城を管理する長野県松本市はコロナ禍が終わって観光需要が回復したことに加え、円安に伴うインバウンド(訪日外国人客)の急増が背景にあるとみている。

 市は松本城を訪れた外国人観光客数を09年から調べている。市の発表によると、24年に松本城を訪れた外国人観光客数は、これまでで過去最多だった23年(14万7672人)から3割増え、19万1748人にのぼった。

 内訳は欧米系12万1517人、アジア系7万231人だった。10年前の14年(7万9572人)と比べると2・4倍になった。

 市は外国人向けのパンフレットの配布数や電子チケットの販売数で外国人の来場者数を算出している。臥雲義尚市長は「日本全国の傾向を上回る勢いで、外国から大勢の方が松本を訪れている。東京や京都、大阪といったメジャーな都市に次ぐ存在として、松本が位置づけられ始めている」との認識を示した。

 日本人も含めた24年の来場者数は前年に比べて11・4%増の98万6207人で、コロナ禍前の16年に記録した98万9258人に迫った。1995年以降で最も多かったのは99年の167万7275人だった。

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 移転に伴い閉鎖された長野県の松本市立博物館旧建物の解体工事が、1月から始まった。旧博物館は松本城公園内にあり、撤去後は公園外から天守を見られる範囲が広がる。

 1968年に開館した旧博物館は2021年3月末で閉鎖され、南に約250メートルの場所で23年10月に再開館した。解体工事は1月6日から始まり、松本城公園南側の出入り口にトラックが通るための通路が設けられた。城を訪れた観光客らが歩ける幅が2メートルほどしかないという。

 ただ、公園東側には、かつては正門として扱われていた太鼓門がある。門の石垣には松本城で最大の石で、重さ22・5トンの「玄蕃石(げんばいし)」があり、臥雲義尚市長は21日の定例会見で「見どころもあるので、できるだけ(東側の)本来の登城ルートで入場して欲しい」と語った。

 6~7月には鉄筋コンクリート造りの建物のうち、地上2階部分が取り除かれるため、南東側の外堀からも天守が見えるようになる予定だ。地下1階部分の撤去を経て10月には完了する予定。

 旧博物館敷地にはかつて、古山地(こさんじ)御殿や辰巳(たつみ)隅櫓(すみやぐら)があった。市は跡地を更地にして、活用法を今後検討するとしている。

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