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記者会見で話す稲垣武之所長=2025年2月27日午前10時0分、新潟県刈羽村の柏崎刈羽原発ビジターズハウス、戸松康雄撮影

 東京電力は27日、再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)で建設中の、重大テロに備える「特定重大事故等対処施設(特重)」の完成時期について、7号機は「2025年3月」から「29年8月」、6号機は「26年9月」から「31年9月」に大幅に遅らせる工事計画変更届け出を国の原子力規制委員会に提出した。

 同原発の稲垣武之所長は27日の記者会見で、前例のない大規模工事で設計や工事内容に関する規制委の審査が長期化したことに加え、「人手不足などで工期短縮も難しくなった」と語った。

 特重は福島第一原発事故後の新規制基準で、運転する場合には整備が義務づけられた施設。設置期限は7号機が今年10月、6号機が29年9月とされている。7号機は技術的な準備は整っているものの、現状では10月以降、運転できない。

 そこで東電は設置期限が後の6号機について、原子炉に核燃料を入れる「燃料装荷(そうか)」を6月に予定するなど、8月中旬には再稼働の技術的な準備を整える方針。同県の花角英世知事は再稼働に必要とされる「地元同意」の是非を慎重に検討している。東電は知事の同意が得られた場合、7号機の運転停止期間中は6号機で発電し、6号機が設置期限を迎えた後は、特重整備後の7号機を動かすというリレー形式で、発電を続けることを検討している。

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