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年始のあいさつに訪れた東京電力の小林喜光会長(右から2人目)や小早川智明社長(同3人目)ら=2025年1月21日、新潟市中央区、井上充昌撮影
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 東京電力の小林喜光会長と小早川智明社長ら幹部が21日、新潟県庁を訪れ、花角英世知事と会談した。同県の柏崎刈羽原発の再稼働に向けて、信頼回復への取り組みの実施を強調する東電幹部に対し、花角知事は引きつづき「行動と実績」で示すよう求めた。

 東電トップによる訪問は、恒例の年始のあいさつのためで、2年ぶり。昨年は能登半島地震への対応などのため、スケジュールが合わなかったとしている。

 会談で、小林会長は「昨今のエネルギー事情は大きな変化が起こっている」として脱炭素の流れについて言及した上で、「知事を始め、県民のますますの信頼を獲得しないと何も始まらない」と語った。小早川社長は昨年、同原発でIAEA(国際原子力機関)の視察を受け入れるなど第三者の意見を生かしていると紹介。昨年の能登半島地震を受けて、事故時の避難について県民が懸念していることを認めつつ、県内で人々の質問を直接受ける「コミュニケーションブース活動」を実施したと説明、「今年は『ワンチーム』というコンセプトで原発の安全性向上に努めていきたい」とした。

 これに対し花角知事は、「外部の目を入れて安全性を高める努力をされていることは理解した」とし、県民との対話に努力していることも「理解したところ」としつつ、「ぜひ引きつづき、安全最優先の取り組みを行動と実績で示して頂きたい」と語った。また大雪と原発事故が重なった場合に円滑に避難できるかが「非常に大きな不安になっていると思う」と述べ、防災対策の強化について、東電の協力を求めた。

 終了後の取材に、小林会長は「信頼は築くのは100年、失うのは1日、そういう認識だ。文化は変わりつつある」と語った。小早川社長は「我々が評価すべきではないことだが、昨年1年間、しっかり安全、セキュリティー向上に努めてきたことについては一定のご理解を頂いた」と話した。

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