新潟県は16日、東京電力柏崎刈羽原発(同県)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案を県議会臨時会に提出した。条例案は市民団体の直接請求を受けたもの。県は「二者択一では県民の多様な意見を把握できない」として、条例案に否定的な花角(はなずみ)英世知事の意見を表明した。採決は18日に予定されている。
条例案は3月27日、弁護士らが世話人を務める市民団体が約14万3千筆の署名を集めて県に請求した。請求を受けた場合、知事は20日以内に意見を付けて議会に提出することが地方自治法で定められている。県議会は花角知事を支える自民党が最大会派で、53人中32人を占めている。
住民投票、各地で否決
東京電力は昨年4月、7号機に核燃料を装塡(そうてん)済みで、再稼働へのハードルは花角知事の同意のみとなっている。花角知事は再稼働への賛否を示しておらず、判断にあたり「県民の受け止めを見極める」としている。見極めの手段として今回、県民投票については否定した形となった。
原発の再稼働や稼働延長を問う住民投票は、福島第一原発事故があった2011年以降、東京や静岡、宮城、茨城、鹿児島など各都県議会で審議され、いずれも否決されてきた。