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定例会見で説明する新潟県の花角英世知事=2025年6月11日、新潟市中央区、井上充昌撮影
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 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に賛成か反対か。新潟県が29日から、そんな意見を県民に聞く公聴会を開く。ただ、その方式は現地での傍聴ができないオンライン開催で、映像は公述人の同意がなければ公開されない。市民生活に大きく影響しうる重要政策についての会議が「部分公開」でいいのか。専門家は開かれた議論や事後検証を求めている。

 県が公聴会の開催を発表したのは5月30日。この際の報道資料で、県内5カ所の会場の詳しい所在地をいずれも明らかにせず、公述人の意見陳述は音声のみをオンライン配信するとした。

 こうした運営手法について、6月4日と11日の定例記者会見で報道陣から質問が集中した。花角英世知事は、プライバシーに配慮することで「自由に発言できる環境を整備したい」と説明。国会前のデモや、県の原発に関する説明会を例に挙げて「例えば反対する人が大挙して大きな声を出すのではないか。そういうことに嫌だな、自分は行きたくないな、と思う人がいるかもしれない」と指摘した。

 また、「時間と場所を決めて開催すると、来られる人(の確保)に限界がある。やり方を工夫しないと多様な意見を集めにくい」とも話した。報道陣から妥当性を問われると「音声は公開する。非公開というのは違う」と反論した。

 17日には県民有志のグループが傍聴などを求める要請文を県に提出した。すると県は同日、希望しない人を除いて音声だけでなく映像も配信するよう修正した。ただ、現地を非公開とする方針は変えなかった。

一般的には公開多く

 一般的に、行政が主催する公…

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