5日の東京株式市場で日経平均株価が急落し、前週末比4451円28銭(12.40%)安い3万1458円42銭で取引を終えた。1987年の「ブラックマンデー」を上回り、過去最大の下げ幅となった。背景には何があるのか。三井住友信託の瀬良礼子マーケット・ストラテジストに聞いた。
――日経平均株価の下落が止まりません。
「パニック的な動きで売りが売りを呼んでいる。(相場の格言である)落ちてくるナイフをなかなかつかめないというのが今の状況だろう」
「タイミングの影響もある。欧米の投資家は大型の休暇を控えていて、下げているところで買い直すという動きがなかなか出にくい。ポジションを調整して、極力リスクを減らして休みに入りたいという心理は否定できない」
――円高ドル安に振れている為替の影響は?
「円高が日本株の下落に相当効いている部分はある。アメリカと比べても日本株の下落率は大きく、円高がその一因となっている。ただ、日本企業への影響を冷静に見極めたという反応ではなく、『円高になったら輸出企業の業績は下がる』という条件反射的な動きに見える」
「株価も上昇の軌道に戻っていく」
――今後の方向性は。
「米国の雇用統計が弱かった…