株価暴落の翌日に待っていたのは、歴史的な急騰だった。日経平均株価は3万4000円台を回復し、前日の下げ幅の7割を1日で取り返した。過度な株安との見方に加え、円安の進行が歯止めをかけた形だ。だが、懸念の根源である米経済にはなお不透明感が漂う。
6日午後、東京駅近くにある大和証券のディーリングルームで、ディーラーたちが鳴り響く注文の電話を慌ただしくさばいていた。その多くが買い注文だった。
歴史的な暴落から一夜明けた6日の日経平均株価は、一転して全面高となった。午前10時過ぎ、上げ幅は3400円を超えた。プライム市場の98%が下落した前日から一転、95%が値上がりした。
大きな材料となったのが、円高進行の一服感だ。外国為替市場の対ドル円相場は先月中旬、1ドル=161円の歴史的な円安水準だった。だが以降は円高が進み、5日には141円台まで急伸。円高は輸出企業の収益を押し下げ、株安の要因となる。これが6日の東京市場では、前日に米国で発表された経済指標の堅調さなどを手がかりに円安に転じ、一時146円台をつけた。
みずほ証券の菊地正俊氏は「急な円高もいったん止まったので、警戒感が和らいだ。機関投資家も個人も買いやすくなった」と話す。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏も「スピード違反的に円高が進んでいた」と指摘。今後も円高方向に進むとみるものの、「非常に緩やかだろう」とした。
「一本調子で戻ると言い切れず」 米経済の強まる不透明感
ただ、今後には不安ものぞく…