北朝鮮の金星(キムソン)国連大使は9月30日、国連総会の一般討論で演説し、北朝鮮の核保有は自衛のための正当な権利だと改めて主張。「我々はだれとも交渉しない」と述べ、11月に予定される米大統領選の結果にかかわらず、核問題で譲歩しない姿勢を強調した。
金氏は、朝鮮半島の安全保障環境が昨年よりも「はるかに深刻になっている」とし、米韓合同軍事演習などが地域の軍事的緊張と敵対的雰囲気を高めていると批判した。
そのうえで、「米国の北朝鮮に対する敵意と核の脅威が、私たちに核兵器保有という歴史的決断を強いた」とし、核開発を正当化した。
さらに、「米国でだれが政権を握ろうと、我々は米国という国家のみと向き合い、単なる政権とは付き合わない」と述べ、11月の米大統領選の結果には左右されないとの姿勢を示した。(ソウル=貝瀬秋彦)