田植えが終わった棚田(手前)。日本海にイカ釣り船のいさり火が浮かび上がった=2024年5月29日午後8時5分、山口県長門市、上田潤撮影
  • 写真・図版

 「日本の棚田百選」に選ばれている山口県長門市油谷の東後畑(ひがしうしろばた)地区で、日本海に面した棚田と、海面を照らすイカ釣り船のいさり火が競演している。

 イカ釣り漁は11月ごろまで続くが、8月以降は漁場が沖に移動するため、明かりが遠くなる。県漁協掛渕支店によると、高齢化や燃料費の高騰で漁に出る船は減っているという。

 棚田も高齢化と生産性の低下で休耕田が増え、かつての美しい景観に陰りがみられる。棚田の利活用を進めるNPO法人「ゆや棚田景観保存会」の和田あいこ副理事長は「どれだけお金を出してもこの景観は作れない。必ず美しい景色を次世代に渡したい」と話す。(上田潤)

共有
Exit mobile version