ブナ林でくつろぐ。「森に守られて安心する感覚」がとても好きだという=長野県木島平村、村上健撮影

 森林の魅力にとりつかれ、森林業コンサルタントに転じた元官僚がいる。長野麻子さん(53)。企業や都市に住む人が森林とつながり、森の維持管理を支える動きが広がるよう、各地に足を運ぶ。

 森づくりに企業の協力を呼びかける「一社一山」、木材の利用を促す「ウッド・チェンジ」、日本の森林の現場を「盛り上げたい」。わかりやすいキャッチフレーズと明るいキャラクターで、講演は笑いに包まれる。起業から3年で41都道府県に足を運んだ。

  • 企業も森づくりに 森林業コンサル長野麻子さんの「一社一山」の薦め

 幼少期から森林が身近だったわけではない。田んぼが広がる愛知県安城市で生まれ育ち、東京大学文学部に進んだ。バブルがはじけ、就職氷河期に突入する。「女子が東京で働けるのは公務員かな」という理由で、農林水産省のキャリア官僚に。

 転機は2018年、林野庁木材利用課長に就いたことだ。

 木材の国内自給率は約40%…

共有
Exit mobile version