参院選の福島選挙区(改選数1)に自民党から立候補して当選した森雅子氏(60)が事務所の入り口に「当選御礼」と書いた紙を貼りだしていたことが分かった。公職選挙法が禁じる有権者への当選あいさつにあたる可能性がある。森氏の事務所は指摘を受けて撤去し、「支持者が持参した物を貼ってしまった。申し訳なかった」と説明している。
貼り紙は森氏が参院選のため福島県郡山市に開いた事務所に掲示されていた。「当選御礼」の文字が赤で書かれ、「皆様の厚いご支援に心より感謝申し上げます 森まさこ」との文言が添えられていた。
森氏の事務所によると、当選が決まった20日夜に後援会関係者が郡山事務所に持ち込み、そのまま掲示され、森氏本人は知らなかったという。
公選法は、事後買収の温床になるなどの観点から、候補者が選挙後に当選や落選のあいさつをすることを原則として禁じている。
当選のお礼は、手書きの信書やお祝いへの答礼、ウェブサイトでの発表などは認められているが、文書図画の掲示や配布は禁止だ。
福島県選挙管理委員会は「当選御礼の貼り出しは法で許される答礼などには当たらないが、個別の事例は判断できない」としている。
森氏は2007年に初当選し、今月の参院選で4選を決めた。法相などを歴任した。